![]() 命名進水式の様子 [拡大画像] |
![]() テープカット [拡大画像] |
![]() ポッド推進器 [拡大画像] |
![]() 航行中のかごしま丸 [拡大画像] |
鹿児島大学水産学部では、漁業実習及び海洋調査を目的に練習船を二隻保有しています。そのうち大きな方の「かごしま丸」は、1981年の建造から30年がたって老朽化が進んだため、平成20年度に文部科学省より代船建造が認められ、新潟造船株式会社にて建造されました。平成23年9月30日に進水命名式が行われ、平成24年3月30日には定繋港である谷山港で竣工式が開かれました。今回竣工した新かごしま丸は4代目となります。
新かごしま丸の船体規模は総トン数935tと、先代の1297tに比べて小ぶりになり、その外観は丸みを持っていた先代に比べ、直線が多い近代的な感じになりました。船型は大きなスケグがついたバトックフロー船型となっており、推進方式としては電動のポッド推進が採用されています。
船尾に二基備えられた推進器はそれぞれ水平方向に360°旋回可能で、推進器と舵の役割を同時に担います。操船は、従来からの舵輪とテレグラフによる方法、ポッド個別のテレグラフによる方法、ジョイスティックによる方法の3通りが選択可能であり、水産学部のカリキュラムの一つである海技士養成にも効果が期待されています。
新かごしま丸の設備としては、先代同様、漁業練習船としての船尾スリップウェイや曳網ウインチといった大型設備が目立ちますが、先代が大学練習船としては初めて教育関係共同利用拠点に認定されたこともあり、海洋調査のための設備が強化されています。
特に、海中調査機器CTDの取り扱いのために専用設備が用意されたほか、生物系の実験に有用なウェット系実験室が設けられました。そのほか、操舵室は実習を行いやすいように広く作られています。前述のポッド推進器は、バウスラスタとの組み合わせで船体を任意の方向に推進可能であることから、海洋調査に必要とされる微妙な操船に威力を発揮することが期待されています。
以上、新かごしま丸は最新鋭の練習船として、今後大きな活躍が期待されます。
主要目 | 新かごしま丸 | 旧かごしま丸 |
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全長(m) | 66.9 | 69.27 |
型幅(m) | 12.1 | 12.6 |
型深さ(m) | 4.60 | 5.45 |
総トン数(t) | 935 | 1297 |
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須本祐史 鹿児島大学水産学部 水中ロボット |
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