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双子フェリーの2隻同時命名進水

三菱重工業(株)船舶・海洋事業本部香焼船海工作部建造課 白葉義遥
命名進水式の双子フェリー
命名進水式の双子フェリー
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最終搭載ブロック (重量700トン)
最終搭載ブロック (重量700トン)
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去る平成24年1月27日、弊社香焼工場にて弊社初となる2隻同時命名進水式が行われましたのでご紹介します。

建造船は、新日本海フェリー株式会社殿向け17,000総トン型カーフェリー「すずらん」「すいせん」の2隻です。同船は、8年前に弊社立神工場で建造されたフェリーの改良型の船です。本船は、全長224.5m、幅26m、深さ20.4m、航海速力27.5ノット、1軸プロペラの直後にPOD推進装置を配置した高効率のCRP POD推進プラントの採用と本プラントに最適な新船型の開発により、大幅な低燃費を実現した世界最速クラスの排水量型カーフェリーとなっております。主な航路は、敦賀(福井県)〜苫小牧東(北海道)間です。

当香焼工場では、フェリー建造自体も初めてであり、かつ同時期に2隻建造し、2隻同時命名進水式を実施するという、香焼工場初物ずくめとなりました。

短いドック期間の中で、2隻同時建造を実現するために、ドック内の2隻の主要工程が重ならないように生産計画を工夫し効率よく搭載を実施しました。その結果、2隻目の最終ブロック搭載が進水の1週間前となりドック工期をぎりぎりまで利用しましたが、なんとか混乱もなく無事搭載が完了できました。またメールマガジン第29号にて紹介した1,200トン ゴライアスクレーンを含めたゴライアス3兄弟の能力を最大限に活用して搭載ブロックの大型化を行い、従来のブロック数を約5割削減(立神工場146ブロック→本船68ブロック)させて渠中工事の削減も達成しました。

当工場では、命名式は、引き渡し前に岸壁で行うのが通常のため、ドック内で作業する船殻工事担当者にとって命名式は馴染みのないイベントです。今回の進水直前の作業は、命名式準備と並行して実施することになるため、船体の外観に気をつけ、火気作業の制限や暴露部の資材撤去や足場解体など、暴露部(外観)の作業管理は、普段の進水と違い非常に神経を使いました。その頑張った甲斐もあって見事に双子フェリーを産み出すことができました。

初物ずくめで大変だった今回の2隻同時命名進水式ですが、自分たちの造った船が出来たという達成感がいつもより非常に大きかったと思います。地元メディアにも取り上げられ、まさに「おいどん達が造った誇れる船」でした。

なお本船は、6月14日、6月29日にそれぞれ引き渡され、元気に日本海を走っています。



白葉義遥
三菱重工業(株)船舶・海洋事業本部香焼船海工作部建造課
生産技術

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