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新タイプLNG船「さやえんどう」の紹介

三菱重工業(株)船舶・海洋事業本部長崎船海技術部計画設計課 塚本泰史
さやえんどう
さやえんどう
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さやえんどう(上)と従来型MOSS船(下)
さやえんどう(上)と従来型MOSS船(下)
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数年前より弊社で開発を進め、昨年度受注に至りました「さやえんどう」について、ご紹介します。さやえんどうは、球形カーゴタンク方式である155,000立方メートル積みMOSS型LNG船です。

従来のMOSS船は、球形のカーゴタンクを半球形状のタンクカバーで覆っていますが、本船は連続したタンクカバーで覆っており、連続カバー(さや)の中に球形タンク(まめ)が入っている外形から、開発中より社内で「さやえんどう」とニックネームで呼ばれ、そのまま商品名として採用されました。

弊社は業界の中でも固いイメージが強いようで、他社の方から「三菱さん面白い名前をつけましたね」といったことを言われることが度々あります。ちなみに海外の方からも「SAYAENDO」の語感が良いと評価されています。

本船の特徴としては、縦強度への寄与が少ない従来の半球形状のタンクカバーから、主船体と一体となって強度部材となり縦強度に大きく寄与できる連続タンクカバーに変更したことで、最適な強度部材配置が可能となり、従来型より大幅な重量低減・推進性能改善が可能となっています。

また、従来型のMOSS船はカーゴタンク頂部付近にパイプや電線を配置するため、フライングパッセージと呼ばれる構造が船の長手方向に沿って配置されています。タンクの谷の部分を通過するフライングパッセージを支えるためのサポートは大掛かりで複雑なため、メンテナンスに手間が掛かると言われていますが、さやえんどうはタンクカバー上にパイプ・電線が配置可能なため、複雑な構造が不要でメンテナンス性の向上も売りの一つとなっています。

その他、従来型MOSS船に比べ、航行時の風抵抗が低減されるなど、実運航での燃費改善が期待できる等のメリットもあります。

本船は現在、鋭意詳細設計を進めている段階です。今後、建造・試運転・引渡しを通じ、さやえんどうが真に大きな実を結ぶよう関係者一同、日々頑張っています。



塚本泰史
三菱重工業(株)船舶・海洋事業本部長崎船海技術部計画設計課
基本計画

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