新船型 セミオープンハッチバルカー 1番船竣工
(株)大島造船所設計部基本計画課 小椋直樹
試運転中の本船
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大島造船所は本年4月18日、5万6千重量トン型セミオープンハッチバルカーの1番船である "PACIFIC INFINITY" を引き渡しました。セミオープンハッチバルカーとは、通常のバルカーとオープンハッチバルカーの中間に位置する船型で、箱形の貨物倉形状、広いハッチ開口部、ジブクレーンといった特徴を持っています。
本船は、弊社が建造するセミオープンハッチバルカーの中で最大の載貨重量を誇る船型であり、次世代省エネ船型として開発した新ラインズを採用しています。また、本船は新ラインズに加え、プロペラ周りの流れを改善する独自開発の船尾付加物「Flipper Fins」を採用することで大幅な燃料消費量削減を達成しています。
本船は以下のような優れた特長を有しています。
- 穀物、石炭、鉄鉱石、セメント、ニッケル鉱、ホットコイル等、多様な貨物の運搬に最適な船型。
- 二重船殻構造となっており、貨物倉内部に突出する骨が無いフラッシュサーフェス構造のため荷残りがほとんど無く、倉内のクリーニング時間を大幅に短縮。また、パッケージ貨物・ユニット貨物の積み付けにも適しており、貨物の固縛も通常のバルカーに比べ容易。
- ハッチ開口幅が約26mと大きく、トップサイドタンクを持たないため、クレーンによる貨物の直接積み付けが可能 (荷繰りによる貨物へのダメージを防止)。
- ニッケル鉱積載を考慮してデッキクレーンにはダブルベアリングを採用。グラブシートはクロスデッキとデッキストア上に計5台設置。
- 荒天時のスピードロスを抑えるため、独自開発の船首形状「Seaworthy Bow」を採用しており、実航海における低燃費を実現。
また、本船の主要目は以下の通りです。
主要目 |
載荷重量 |
5万6104重量トン |
全長 |
189.99m |
型幅 |
32.26m |
型深さ |
17.87m |
満載吃水 |
12.546m |
主機型式 |
MAN B&W 6S50MC-C(Mk7) |
出力馬力 |
7,612kW×102.0rpm |
航海速力 |
14.5kn |
船級 |
NK |
船籍 |
パナマ |
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小椋直樹
(株)大島造船所設計部基本計画課
船体計画 |
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