青い海とCAPE SIZE BULKER [拡大画像] |
ジンベイザメ [拡大画像] |
2年前から当社で行っている人事ローテーションという取り組みの一環として、2011年6月末から2012年8月上旬までの約1年間、フィリピンにある当社のグループ設計会社 (TTSP : TSUNEISHI TECHNICAL SERVICE (PHILS.) INC.) に赴任致しました。短期での海外出張はそれまでに何度か経験していたものの、初めての長期滞在という事で、不安と期待の入り混じる中でフィリピンでの生活が始まりました。
当時TTSPには私を含めて7名の日本人が派遣されていました。私の赴任当初は現地スタッフに伝えたいことが伝わらないという言葉の壁に当たりました。現地のベテラン・中堅スタッフは和製英語に慣れている為、多少は理解してくれていますが、新入社員には全くと言っていいほど通じませんでした。島国が多いフィリピンでは、出身地によって大きく言語が変わります。公用語のタガログ語及び英語、オフィスのあるセブ島で使われるビサヤ語を自在に操る現地スタッフに驚かされるとともに、自分の語学力の低さを認識し、英会話に対する意識を変えるきっかけとなりました。
TTSPのオフィスは、当社のグループ造船所(THI : TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIY (CEBU) INC.) 敷地内にあり、工場では国内工場で建造していない58,000DWT (HANDY MAX) 型及び180,000DWT (CAPE SIZE) 型BULK CARRIERを建造していましたので、積極的に現場に赴くことを心がけました。現場でも同様に言葉の壁に悩まされ、自分の言いたい事が伝わっているかどうかこまめに経過を確認する様にしていました。
また日中刺す様な日差しが照りつける現場では、倒れそうになる事もありましたが、フィリピンの工場設備、現場での作業等実際に目で見る事ができ非常に勉強になりました。
海がめとの写真 [拡大画像] |
セブ島は観光地としても有名ですので、プライベートでも非常に充実した生活を送る事が出来ました。特に、カラフルな珊瑚、魚達が眼前に広がるスキューバダイビングには、すっかり虜となってしまい、長年の夢であった野性のジンベイザメに会えた事は、一生の思い出となりました。
セブ島内(時には島外も)色々な場所を巡りましたが、治安は想像していたよりも安全で、危険とされる区域を避けていれば特に身の危険を感じる様な場面に遭遇することはありませんでした。
食事面では、フィリピン料理は肉を使った料理が多く、少々味が濃く、脂分の多いものが殆どでしたが、日本では食べられない様な豚の丸焼きも体験できました。
赴任最終日の記念写真 [拡大画像] |
過ぎてみればあっという間の赴任期間でしたが、早々に言葉の壁にあたった事で日常的な会話の表現方法、特に文法、発音について一から見直そうという意識が芽生えました。判らない所は積極的に現地スタッフに聞いたり、また週二回の英語授業を受ける事で、赴任前は散々だったTOEICの点数が大きく向上した事は非常にうれしく思いました。
また、数少ない日本人という事で、問題等が起こった際は現場、設計問わず現地スタッフから相談がありました。周囲から頼りにされているという実感、自分で何とかしようという責任感がいっそう芽生えました。問題の中には自分の専門分野以外のものも多々ありましたので、調べながら解決に導くことで知識の幅が広がりましたし、大きな自信に繋がる事となりました。今後も、今回の赴任で得た経験を業務に活かせる様頑張りたいと思います。
山口康浩 常石造船(株)設計本部船体設計部船装設計グループ 船体部配管設計 |