可動床上の水路模型(曳航水槽において) [拡大画像] |
構造物の津波衝撃の様子 (2次元造波水槽において) [拡大画像] |
100トン万能試験機 [拡大画像] |
広島大学が保有する船海の研究・開発に関わる代表的な試験設備3点を紹介し、特に最近行った機能の拡張ならびにその特徴について説明します。
曳航水槽 (全長100m×最大幅10m×水深3.5m) は、性能の優れた船舶の開発、性能の推定、安全な海洋構造物の開発に利用されています。近年、水槽の中央部に、昇降式の可動床を設置し、浅水域や水路での実験が行えるようになりました。河川を航行する船の性能把握、船の安全航行に関わる港湾・水路での水槽試験が可能です。なお、詳細については、関連リンクに掲載した広島大学試験水槽のページを訪問下さい。
大型2次元造波水槽 (長さ43m×幅1.2m×深さ2.0m) では、規則波・不規則波を忠実に再現できます。プランジャー式造波機を備え、最大波高20cm、波周期0.5〜3.0secの造波が可能です。最近、可変式海底勾配装置が新たに取り付けられ、浅海域〜深海域の広範囲に亘る波浪実験が可能となりました。津波中での構造物、大波高時の海洋構造物、海洋エネルギー利用に関わる研究開発等に使用されています。
構造・材料強度関連の実験設備として、100トン万能試験機、5トンオートグラフ、シャルピー衝撃試験機等を所有しています。これらの設備を使用した共同研究において、溶接部材の強度試験、構造部材の疲労試験、座屈試験、複合材料の強度試験等が実施されています。特に100トン万能試験機は、船舶や土木構造物などの大型構造物の構造強度実験に対応した1mの長尺試験体の試験が可能であることが特徴です。4点曲げ試験を実施できる大型治具も完備しています。
なお、来年度には風洞設備がリニューアルされ、施設が一層充実する見込みです。大学の使命である教育・研究に加え、船海に関わる製品の設計開発支援にも積極的に取り組んで行きます。
安川宏紀 広島大学工学研究院エネルギー・環境部門 船舶海洋工学 |