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海外滞在記 : University of Nottingham

広島大学大学院工学研究院機械システム・応用力学部門 田中義和

私は、JSPS組織的な若手研究者海外派遣プログラムの支援により、平成24年8月1日から平成24年10月1日まで、英国University of Nottingham (以下 ノッティンガム大学) に滞在し、研究を行う機会を頂きました。研究内容は、近年、世界中、特に欧州で研究が活発に行われているエネルギーハーベスティング (環境発電) です。私を含めた広島大学の研究チームは、圧電材料と柔軟素材を用いた海洋エネルギー発電の研究を実施しており、これは世界的に類を見ない研究テーマです。この研究テーマをさらに推進すべく、滞在先としてノッティンガム大学Prof. Atanasを選択しました。

ノッティンガム大学の建物の1つ Trent building
ノッティンガム大学の建物の1つ Trent building
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ノッティンガム大学は英国で10位以内の大学であり、世界的には75位にランキングされる非常有名な大学です。Prof. Atanasらの研究チームでは、圧電セラミックを用いた小型のエネルギーハーベスティングデバイスについて研究を実施しており、Prof. Atanasらのモデリング方法は、非常に緻密で、我々の研究推進のために非常に重要であると考えたためです。

派遣期間中は、Prof. Atanasらの解析方法の学修、実験、毎日3xA郡時間程度の議論が日課となりました。解析方法の勉強では、Prof. Atanasらが開発した理論解析方法およびそれに基づいた解析コードを学修しました。解析コードは行列計算ソフトMATLABを用いており、私自身、MATLABを使用した経験がなかったので、最初は戸惑いましたが、滞在2週目ぐらいには、自作コードを作成できるようになりました。ノッティンガム大学では、全学的にMATLABを使える環境を整えてあります。また、構造解析ソフトABAQUSを誰でも使える環境でもありました。

ノッティンガム城 (大きな岩の上に城が見えます)
ノッティンガム城
(大きな岩の上に城が見えます)
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ウラトン公園にある美術館
ウラトン公園にある美術館
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ノッティンガム大学滞在中は、計算のみならず実験も行っていました。実験では、圧電材料とシリコンゴムを用いて、広島大学で研究を実施している柔軟発電体を多数作成し実験を実施していました。実験の実施には、Prof. Atanasの元でエナジーハーベスティングの研究を実施しているドクターコースの学生Mr. Rupeshに全面的に協力していただきました。彼らの実験装置の構成および実験方法および実験の進め方は、これからの広島大学での実験に対して非常に有意義な知見を与えるものでした。

たまの休日には、ノッティンガム大学周辺を散策しておりました。ノッティンガムは、知る人ぞ知るロビンフッドが活躍した都市であり、ロビンフッドの戦の舞台となるノッティンガム城があります。中に入ると美術館になっており、イギリスの古い防具から日本刀や浮世絵らしきものなどさまざまな逸品が展示されていました。私は行くことができませんでしたが、地下洞窟ツアーなるものがあるらしく、もし、皆様にノッティンガム城を訪れ機会がありましたら、チャレンジすることも旅の思い出になるかと思います。また、ノッティンガム大学のすぐそばにウラトン公園という大きな公園があります。この公園の中にも美術館があり、その美術館では映画バットマン ダークナイトライジングが撮影されたそうです。外観が荘厳なので確かにバットマンにあいそうな建物でした。

私の派遣概要は、上記のような感じであり、今後は、今回の派遣で構築した交流関係を継続し、広島大学の研究チームがリードできる内容、ノッティンガム大学の研究チームがリードできる内容を上手に組み合わせ、本研究テーマを大きく進展させることができるよう活動してまいります。

最後になりましたが、私の海外滞在を快く了解していただきました藤本由紀夫教授、新宅英司准教授ならびに広島大学大学院輸送・環境システム専攻関係者の皆様、滞在を快諾いただいたProf. Atanas、本海外派遣プログラムを実施・運営されている関係各位に、厚く御礼を申し上げさせいただき、本稿を終わりにさせていただきたいと思います。



田中義和
広島大学大学院工学研究院機械システム・応用力学部門
圧電材料応用、計算力学 (振動、電磁場)

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