新造船紹介 : 東北海洋生態系調査研究船「新青丸」
三菱重工業(株)船舶・海洋事業本部船海技術総括部下関船海技術部計画設計課 首藤雄太
海上試運転中の新青丸
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平成25年6月末に下関造船所にて無事引渡しを終えました、独立行政法人海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 殿向け東北海洋生態系調査研究船「新青丸」の概要について紹介します。
「新青丸」は、東日本大震災の地震・津波の影響で海洋環境が激変した東北沖の漁場復興に、大学等に蓄積された科学的知見を有効に活用するため、復興支援のネットワークとして構築された「東北マリンサイエンス拠点形成事業」に必要な船舶として建造されました。また平成25年1月に退役した学術研究船「淡青丸」の後継船としても活躍を期待されています。
本船の主な特色は以下のとおりです。
- 飛躍的に向上した航海性能
- アジマス推進器とダイナミックポジショニングシステム (DPS) の採用により操縦性能及び定点保持性能が飛躍的に向上しています。
- 充実した水中音響機器
- 深海用/浅海用マルチビーム音響測深機、計量魚群探知機、全周型スキャニングソーナー、サブボトムプロファイラー、海底地殻変動センサー測位用送受波器等の充実した音響機器により、高精度、リアルタイムでの生物・資源・海底等の調査が可能です。
- 最新鋭の音響測位装置により、各種水中観測機器や無人探査機等の運用が可能です。
- 多様な観測機器
- 船尾Aフレームクレーン、CTDクレーン、多関節クレーン (2基)、常設ウインチ (5基)、可搬ウインチ (5基) を使い、多種多様な観測への対応が可能です。
- 調査目的別に設置された第1xA軍までの研究室と最新機器により、気象海象、水中音響、物理、化学、生物、試料採取等の各種調査・観測が効率的に実施可能なよう配慮されています。
- 優れた船内LANシステムを構築し、Wi-Fi機能を有した無線LANを介して航海情報や観測機器データなど大量な情報を効率的に処理します。
- 環境へ配慮した設備
- 電気推進方式の採用により、効率的なパワーマネジメントを行うとともに、LED照明の活用や遮熱塗装の採用で、大気汚染物質や温室効果ガスの排出を低減しています。
主要目 |
全長 |
66.00m |
幅 |
13.00m |
深さ |
6.20m |
喫水 |
4.50m |
国際総トン数 |
1629トン |
航海速力 |
13.2ノット |
航続距離 |
6500マイル |
最大搭載人員 |
41名 |
推進システム |
推進電動機1300kW×2基 |
推進器 |
アジマス推進器×2基 (5翼、FPP) |
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首藤雄太
三菱重工業(株)船舶・海洋事業本部船海技術総括部下関船海技術部計画設計課
性能設計 |
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