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25万トン鉱石運搬船への高効率排熱回収装置搭載の紹介

(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部機装設計課 原田英光
図1 装置イメージ
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株式会社商船三井殿向け25万トン型鉱石運搬船「WOZMAX (ウォージーマックス)」に搭載している「高効率排熱回収装置」について紹介いたします。

本装置は、株式会社商船三井殿の次世代船シリーズコンセプトである「ISHIN-III」(大型鉄鉱石専用船) の実現に向け、同社と共同で「排熱エネルギー回収システム」の各種検討を重ねた信頼性の高い装置となっております。

従来の排熱回収装置といえば、排ガスエコノマイザーで主機関の排ガス熱エネルギーを利用して、蒸気を発生させ蒸気タービンで発電を行い、船内電力を賄う程度でした。一方、本装置では、排ガスエネルギーを最大限に活かすこと、また、機関室温度変化の影響を最小にするため、三菱重工業舶用機械エンジン株式会社製「MERS (Mitsubishi Energy Recovery System)」を採用しています。

このMERSは、蒸気タービンの発電機を両軸端カップリングにして、蒸気タービンの反対側にワンウェイクラッチを介して排ガスタービンを設置しており、主機関の排ガスエネルギーを効率よく、船内電力以上の電力を発電できる事が特徴になります。さらに、余った電力を主機関のオモテ端に装備した軸加勢モーターに送ることにより、主機関の推進加勢を行い、船全体の燃料を削減する、次世代型ハイブリットシステムとしています。

また、本装置は、従来と異なる排熱回収装置でありながら、主機関の安全性および信頼性を確保するためシステムを自動化しており、主機関負荷増減等においても人手を介する必要はありません。もちろん、手動にて運転することも可能としています。

本船は、本装置の搭載により、従来の同型船と比較して、航海中の燃料消費量の約6%削減できる事を見込んでおり、海上公試前の予行運転では、計画以上の燃料削減効果を確認しています。



顔写真 原田英光
(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部機装設計課
機装設計

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