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新造船紹介:85型バルクキャリア

佐世保重工業(株)海洋設計部基本計画課 窪田圭吾
試運転中の84,700トン型バルクキャリア
試運転中の
84,700トン型バルクキャリア
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昨年11月に竣工しました85型バルクキャリアを紹介します。

本船は2013年6月に起工し、同年9月進水、同年11月に無事に引渡しを終えた、当社における新開発バルカーのシリーズ一番船です。

本船の最大の特徴は、パナマックス型より大幅に浅い喫水で一回り大きな載貨重量を確保できる汎用型の幅広浅喫水船であることです。満載喫水を従来のパナマックス型より1m近く浅くしつつ、載貨重量は現在パナマックス型の主流である82,000トン型よりもさらに一回り大きい84,900トンを確保しています。より多くの荷物を積んでより多くの港へ入港できるため、船主・傭船者から高く評価されています。

省エネに関しては、当社にて開発した省エネ船型に船尾には独自開発した省エネフィン (S.S.Fin) を装備し、舵はリアクションラダーとラダーバルブを組み合わせた形状とし、主機関には電子制御エンジンを採用することで省エネ効果の向上を図っています。船首は後方にわずかなふくらみを持たせた垂直形状を開発し、これにより実際の荒天海域での性能向上を図っています。これらの結果として、当社における従来型パナマックスバルカーと比較してCO2の排出量を約15%削減し、IMOのエネルギー効率設計指標 (EEDI) のレファレンスラインを約20%下回ることができました。

さらに、バラスト弁の遠隔制御装置を設け居住区内から操作できるようにし、またバラストタンク、燃料タンクには遠隔液面計を装備して、荷役時の遠隔監視と乗組員の省力化を図っています。居住区内のトイレには真空トイレシステムを採用し洗浄のための清水の使用水量を減らしています。また、ILO海上労働条約 (MLC2006) の居住区設備要件を先取りして適用し、最新規則も満足しています。

本船の主要目は以下の通りです。

全長 229m
型幅 38.00m
型深さ 19.10m
満載喫水 (型) 13.49m
載貨重量 84,943メトリックトン
船級 ABS
主機型式 三井B&W6S60ME-C8.2


窪田圭吾
佐世保重工業(株)海洋設計部基本計画課

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