ジャパン マリンユナイテッド(株)有明事業所造船部艤装計画グループ機電装チーム 野村信資
南シナ海の青い海 [拡大画像] |
2014年2月13日、弊社有明事業所にて建造したスーパーマラッカマックス型VLCCの1番船である“KYO-EI”を引き渡し、当日に出航しました。今回、燃料補油地であるシンガポールまで約1週間乗船する機会がありましたので、船の状況と感想を報告します。
出航当日はあいにくの雨模様でしたが、命名式出席者、造船所関係者の方々に盛大に見送られ、本船は無事に弊社岸壁から離れ、処女航海に出ました。出港直後は雨の影響で海象がやや荒れ気味となり、船体のローリングも大きく、機関室内で物が倒れる等もありましたが、翌日には天候も回復し、前日の揺れも収まりました。2月14日夕方に沖縄本島の南側を通過、2月15日夜には台湾南側を通過し、南シナ海に入りました。
南シナ海に入ると周りは一面見渡す限り青い海が広がり、時折遠くにコンテナ船、バルクキャリア等を見ることができました。その後の航海も天候に恵まれ、また運航に関わる大きなトラブルに合うことも無く順調に進むことができ、2月19日夜にシンガポール沖に仮泊しました。
仮泊中は、ペルシャ湾までの燃料の補油作業を行いました。燃料補油作業は補油バージの到着が遅くなり、予定よりも2時間遅れで作業開始となりました。補油作業の開始が深夜からでしたが、機関長をはじめ、乗組員達の迅速な対応もあり、トラブル等無く無事に作業を終えることができました。その後、乗組員たちとの別れを惜しみつつ、2月20日明け方頃に下船となりました。
本船乗組員については日本人8名とフィリピン人19名の計27名が乗船していました。本船に乗船していた船長、一等航海士、機関長、一等機関士は日本人で、本船の建造時から艤装員として立会われていたので、コミュニケーションも取りやすく、乗船中の業務内容、及び船内生活の内容等を教えていただくことができました。
乗船期間中の主な業務として、機関室内の機器類運転状態の確認、及び乗組員の機器類オペレーション方法の考え方を乗組員の立場として勉強することができました。建造時、及び海上試運転等の業務で機関室内の機器類のオペレーション作業に携わることは多いですが、実際に乗組員のオペレーション作業の様子や機器類に対する意見等を聞くことができ、約1週間と短い乗船期間でしたが、とても貴重な経験となりました。今回の乗船で得ることのできた経験を今後の業務に活かしていきたいと思います。
野村信資 ジャパン マリンユナイテッド(株)有明事業所造船部艤装計画グループ機電装チーム 機関技術スタッフ |