三菱重工業(株)船舶・海洋事業部長崎技術部計画設計課 石橋 賢
![]() さやえんどう [拡大画像] |
弊社にて建造中の次世代型LNG船「さやえんどう」について、ご紹介いたします。
さやえんどうは、球形カーゴタンク方式である155,000立方メートル積みMOSS型LNG船です。従来のMOSS船は、球形のカーゴタンクを半球形状のタンクカバーで覆っていますが、本船は連続したタンクカバーで覆っており、連続カバー (さや) の中に球形タンク (まめ) が入っている外観から、「さやえんどう」というニックネームが付けられました。
さやえんどうは、球形タンク4基を船体と一体構造の連続タンクカバーで覆うことにより、船全体の強度を確保しながら軽量化を実現し、さらに航行中の空気抵抗を大幅に軽減します。また、主機関にはReheaterにより蒸気を途中段階で再加熱し熱効率を高めたMHI Ultra Steam Turbine Plant (UST:再熱舶用推進蒸気タービン) を採用しており、燃費性能を改善します。また、連続タンクカバーの採用で、カーゴタンク上部で配管、電線、通路を支える構造物が不要になり、メンテナンス性が大きく向上します。そして、燃費改善によるCO2排出量の抑制に加え、バラスト水処理装置の搭載による海洋生態系への影響軽減など、環境対応力も高めています。
さやえんどうは、2011年10月の2隻同時受注を皮切りとして順調に受注を重ねており、2014年8月現在、累計受注隻数は8隻になりました。そして、1番船の引き渡しを間近に控えている状況です。省エネ・環境性能を高めたエコシップをリードする製品としてさやえんどうが出航する日を、関係者一同、楽しみにしているところです。
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石橋 賢 三菱重工業(株)船舶・海洋事業部長崎技術部計画設計課 基本計画 |
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