明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域
三菱重工業(株)長崎造船所総務課 広報担当
「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」は、今年1月、福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・山口・岩手・静岡の8県11市にある23の構成資産全体を「顕著な普遍的価値」を有する世界文化遺産候補として日本政府からユネスコに推薦されました。
明治後期、日本が20世紀初頭に非西欧地域で最初の産業国家としての地位を確立したこと、そこに至るまでの幕末から僅か半世紀あまりで、製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業の急速な産業化を達成したことは、世界史的意義を有するできごとで、技術、産業、社会経済に関わる世界の歴史的発展段階において、極めて意義のある特筆すべき稀有な事象です。その道程を時間軸に沿って証言する産業遺産群が明治日本の産業革命遺産です。
三菱重工業(株)長崎造船所には産業革命遺産の構成施設が5施設あります。その5施設をご紹介しましょう。
小菅修船場跡
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- (1) 小菅修船場跡
- 明治元年竣工。薩摩藩とトーマス・グラバーによって建設された船舶修理用のスリップドックです。日本で初めて船を曳き上げる動力に蒸気機関を採用、引き揚げ装置はスコットランドからの輸入です。翌年明治政府が買収し、その後に三菱の所有となりました。現在は、国の史跡に登録され、大切に保存されています。
旧木型場 (現 史料館)
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- (2) 旧木型場 (現 史料館)
- 明治31年竣工。鋳物の木型を製造する工場として竣工し、長崎造船所で最初に電気を動力として使用した工場です。長崎造船所内に現存する最古の工場建築物で、現在は150年以上にわたる長崎造船所の歴史を紹介する史料館として公開されています。
占勝閣
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- (3) 占勝閣 [非公開]
- 明治37年竣工。所長社宅として建設されましたが、竣工後、現在まで重要顧客を迎える迎賓館として進水式の祝賀会等に利用されています。
第三船渠
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- (4) 第三船渠 [非公開]
- 明治38年竣工。明治期に長崎造船所で建設されたドライドックの中で唯一現存するものです。船舶の大型化に伴い3度の拡張工事が行われ、その機能を進化させながら現在も使用されています。
ジャイアント・カンチレバークレーン
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- (5) ジャイアント・カンチレバークレーン [非公開]
- 明治42年竣工。スコットランドからの輸入品で、同型の電動クレーンとしては国内最古。150トンまで吊り上げることができ、現在もタービン等の船積みに使用されています。
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