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新造船紹介:TESS45の後継船型"TESS45BOX"バルクキャリア

常石造船(株)設計本部商品企画部船体計画グループ 柴田憲一

TESS45BOX
TESS45BOX
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常石造船(株)(本社:広島県福山市)は2014年6月27日、グループの常石集団(舟山)造船有限公司において、45,400MT型ばら積み貨物船"TESS45BOX"を竣工し、船主へ引き渡しました。

本船は、常石造船が1990年代に累計69隻の建造実績を持つ4万5千トン型ばら積み貨物船"TESS45"の後継として、2011年に開発した"TESS45BOX"の建造第1隻目です。

TESS45より3メートル短い全長183メートル、よりコンパクトなサイズで、柔軟に寄港地を組み合わせることが可能です。新たに採用したボックスシェイプ(箱型貨物艙)で、ばら積み貨物のほか、パルプや鉄鋼製品の輸送にも適する汎用性の高い船型です。開口面積が広く貨物の積み下ろしがしやすく、荷役効率とメンテナンス性が向上するなど顧客価値向上を実現しています。ツネイシ・エコノミカル・スタンダード・シップ(TESS)シリーズの開発30年で蓄積された船体形状の改善や環境デバイスの投入によって、燃費をTESS45よりも約13%向上させた省エネ船です。

TESS45BOXの主要目
船種 D/W 45,400メトリックトン型ばら積み貨物船
長さ 183メートル
船幅 30.4メートル
深さ 16.5メートル
載貨重量トン Abt. 45,400メトリックトン
総トン数 約27,700
貨物艙の開口サイズ 1番貨物艙 :
長さ16.8メートル×幅18.4メートル
2番〜5番貨物艙 :
長さ20メートル×幅25.2メートル
主機 三井MAN B&Wディーゼル機関6S50MC-C8.2
航海速力 14ノット

TESS45BOXの特長

  • プロペラ前部に取り付ける複数の翼型構造物「MT-FAST」を搭載。水流を整えることで推進効率が向上する。日本郵船グループ会社の(株)MTIと共同で開発した。
  • プロペラ効率を極限まで高める「TOP-GR (Tsuneishi Optimized Propulsive Gear)」テクノロジーを採用。コンピュータによる緻密な計算とシミュレーションによって、翼数、直径、翼断面の形状、翼幾何分布を細部に至るまで最適化設計し高効率・低振動の省エネ型プロペラを実現。
  • 船首部の波の抵抗を軽減する「SEAWORTHY」を搭載。高い波でも抵抗が少なくなり、貨物搭載時のシーマージン (波浪中の抵抗増加) を最大約5%削減できる。広島大学と共同で開発した。
  • 風圧を低減する形状の居住区を搭載。広島大学と共同で開発した。
  • 鉄鋼製品など重量物の搭載に対応し、船底の構造強度を高めている。
  • バラスト水処理装置を標準搭載。


柴田憲一
常石造船(株)設計本部商品企画部船体計画グループ
基本設計

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