ツネイシホールディングス(株)マーケティングコミュニケーション部 李 晶
工場全景 [拡大画像] |
PEZA授賞式 [拡大画像] |
TESS58 AEROLINEイメージ [拡大画像] |
7107の島々からなるフィリピン共和国では、修繕を含む造船業は海運業と並び重要な産業に位置付けられています。
常石グループがフィリピンへ進出したのは、設計会社 TSUNEISHI TECHNICAL SERVICES (PHILS.) ,Inc.を設立した1992年に始まります。1994年に新造船の工場としてTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc. (THI) を設立し、1997年には初の建造船となる2万3000トン級ばら積み貨物船を竣工しました。以来、2004年に第2船台、2009年に建造ドックを増設。現在、常石グループ造船事業の主力工場として、常石造船常石工場の約3倍に相当する147ヘクタールの敷地に、3万トン級から8万トン級まで建造可能な船台2基と18万トン級ばら積み貨物船をセミタンデム建造できる全長450mの建造ドック、修繕用のフローティングドック1基を有しています。協力会社を含めた従業員約1万3000人が、常石造船の主力船型であるTESS58やカムサマックスバルカー、T-CORE180などばら積み貨物船を中心に、年間約20隻を建造しています。
過去20年間、THIは190隻以上 (2014年9月現在) の船を完工・引渡し、売上高は累計で2500億ペソに達しています。Philippine Economic Zone Authority (PEZA,フィリピン経済特区庁) より、輸出事業におけるフィリピン経済の成長への貢献や、地域の発展に貢献するCSR活動で功績を認められ、優秀輸出企業賞と優秀地域プロジェクト企業賞などを2004年以降これまでに、9回に渡って受賞しています。
中国の新造船竣工量が総トン数で世界一となった2010年には、フィリピンは竣工量総トン数1161GTでドイツや台湾を抜いて世界第4位の造船大国に躍進。その中で、THIは竣工量19隻 (総トン数687,317GT) で多大な貢献をしました。現在、日本、台湾、香港および欧州から60隻強の受注を受けており、手持ち工事量は2017年まで確保しています。
THIはフィリピンだけにとどまらず、世界でもトップクラスの造船所であり続けることを目指し、これまで手掛けた船種に加え、常石造船が開発した最新船型のばら積み貨物船の建造に取り組みます。小型船市場を狙い開発された、コンパクトながら大容量の多様な貨物を搭載できるTESS35 (3万5000トン型ばら積み貨物船) を始め、鉄鋼石や石炭などばら積み貨物だけでなく、パルプや鉄鋼製品の輸送が可能な箱型貨物艙 (ボックスシェイプ) を持つTESS45BOX (4万5000トン型ばら積み貨物船) や、新たに開発した風圧抵抗を低減する新技術 "AEROLINE" を搭載した5万8000トン型ばら積み貨物船の最新モデルTESS58 AEROLINEなど、新船型の建造にも着手しています。
THI河野仁至社長は、「THIの建造船型の多様化を進めるほか、建造隻数を毎年20隻から25〜30隻に拡大し、グループならびに地域経済の発展に貢献したい」と話します。
奨学生の皆さん [拡大画像] |
世界環境デー植樹活動 [拡大画像] |
町の子どもたち [拡大画像] |
常石グループは1992年にセブ島に進出して以来、地元が必要としている生活、教育、医療環境の向上など、さまざまな社会課題の解決に向け、CSR (企業の社会的責任) 活動の幅を広げています。
2010年6月には、TSUNEISHI FOUNDATION (CEBU)、 Inc. (ツネイシセブ財団) を設立し、THIを中心にフィリピンにある常石グループ7社の寄付金を財源とし、教育、医療、環境の3つを柱に、造船事業の基盤強化と地域貢献の両立を目指しています。
若い世代に就学機会を作るため、フィリピン有数の大学、サンホセ・レコレトス大学とUSJ-Rバランバン校を開校し、さらにセブの造船工学科、機械工学科、土木工学科の地元の大学生や高校生を対象に、奨学金も設置。現在、122人の学生がツネイシセブ財団の奨学金制度を利用して大学や高校で学んでいます。地域医療の整備も推進し、バランバン病院の設立や産科施設の開設支援のほか、貧困層の多い地区を対象に医薬品の無料提供も行っています。また、環境保護を目的に、植樹活動も定期的に行い、これまで延べ29,000本の苗木を植えました。
「ツネイシが来て町は大きく変わった。雇用、企業の投資、教育、医療など暮らしを支える社会資本の整備のあらゆるところに常石グループの支援を受け、ツネイシは地域の発展に欠かせないベストパートナーです。」とバランバン町のエース・ビンハイ町長は話します。
常石グループは、これからも、品質の向上、生産性向上など、日本と同じレベルの技術と生産管理を海外拠点でも徹底すると同時に、地域社会とともに、持続可能な未来づくりに邁進していきます
李 晶 ツネイシホールディングス(株)マーケティングコミュニケーション部 広報 |