尾道造船(株)造船設計部機電設計課 村上健太郎
航路日程 [拡大画像] |
荷役風景 (サウジアラビア) [拡大画像] |
乗組員と著者 (中央) (インド独立記念日祝賀パーティー) [拡大画像] |
2014年7月18日に就航したS.No.596 "M/V MORNING SWAN" は、当社新設計となるLR-I (80 Product Tanker) の第二番船となります。本船は4つの基本コンセプトをベースに、合理的な設計を目指す事を設計方針に掲げ開発が行われました。乗組員の実作業や要望、発生した不具合等を調査する事により、設計方針に沿った船となっているかを検証する為、この度乗船しました。
乗船中の本船は、尾道を離岸後、シンガポールを経由し、極東とペルシャ湾を往復する航海に従事しました。約2ヶ月間の乗船期間となりましたがその間に大きなトラブルも無く、無事に下船することが出来ました。船員と寝食を共にし、船上での様々な作業や、時にはトラブルに立ち会う事で、今までは想像による所が多かった船の使い勝手に対する認識を、実体験として確認する事が出来ました。また、本船の乗組員からは当社の船に対して高い評価を得ることが出来、建造に携わった一技術者として、大変嬉しく思いました。
本船の乗組員が全てインド人だったこともあり、スパイシーな食事は勿論、その他にも様々な事を体験出来ました。船上でのイベント (乗組員同士の懇親会、誕生日パーティーやインド独立記念日の祝賀パーティー) 等にも同席させて貰い、そういった面からも乗組員が船におけるチームワークやコミュニケーションを大切にしている事が窺い知れました。勿論、長い航海においてのストレス発散も兼ねての催しでしたが、非常に良い雰囲気の中で乗船調査が出来たと感謝しております。
造船マンとして今後も船の建造に関わってゆく中で、今回の体験は私にとって大きな財産となりました。今後、この経験を活かす事で、船上での実作業に即した良い船を設計出来るよう励んで行きたいと考えております。
最後になりましたが、この様な貴重な機会を与えて下さった株式会社 ナカタ・マックコーポレーション殿、また乗船中にご支援頂きました皆様に厚くお礼を申し上げます。
村上健太郎 尾道造船(株)造船設計部機電設計課 機関艤装設計 |