尾道造船(株)資材部資材課 堀中想大
しまなみ海道サイクリングの一番の魅力は何と言ってもその美しく豊かな自然を満喫できることです。穏やかで風光明媚な海と緑鮮やかな島々が作り出す景観は季節によってその姿を変え、様々な形で私たちの五感を楽しませてくれます。今回はその魅力をぎゅっと凝縮して紹介します。
みかんと空と橋と海のコントラストは絶景 [拡大画像] |
大島・亀老山より来島海峡大橋を望む [拡大画像] |
しまなみ海道は全部で10本の橋からなり (一般道の尾道大橋を含めると11本)、形式や長さの違いからそのどれもが違った顔を持ちます。しまなみサイクリングを語るうえで橋の存在を欠かすことはできません。美しい海と島、あるいは空、橋そのものが織りなす絶景を眺めながら、空を飛んでいるような感覚でサイクリングを楽しむことができます。
海上交通を妨げないよう橋はかなり高いところに架けられており、橋を渡るには漏れなくセットで「登坂」がついてきます。坂といえどもそれほど急なものではなく、ある意味ではそれぞれの島の魅力を感じることのできる絶好のポイントです。今の時期 (注 : 取材当時は1月下旬) であれば色鮮やかなみかん畑の中を縫うように上ることができ、視覚的にも楽しみながら気づけばそこはもう橋の上です。
橋梁を一望できるビュースポットとして、個人的には向島・高見山、因島・白滝山、大島・亀老山など展望台のある山に登るのも捨てがたいのですが、自転車ではかなりの健脚向けなので「登山」の際はあくまで自己責任で。
瀬戸内海の「関所」として海上交通を司り、あるいは海外貿易の商人として活躍した村上水軍。その拠点のひとつが因島にある因島水軍城です。現在は資料館として武具、古文書など当時を偲ばせる水軍ゆかりの展示品を所蔵しています。しまなみ海道沿いの史跡の紹介も充実しており、サイクリングがてら遥か中世の世に思いをはせるのも一興かもしれません。
大山祇神社 [拡大画像] |
その村上水軍が武運長久を祈ったのが同じしまなみ海道沿い、大三島にある大山祇神社です。全国の大山祇神 (イザナギ・イザナミの子供) の総本社であり参拝者が絶えません。その中でも必見なのが神社に併設する宝物館です。全国の甲冑の4割はここにあると言われ、有名な武将が奉納した国宝の数々を見ることができます。古来より崇められてきた場所に立ち祈願することで身も心も引き締めてサイクリングに臨むことができるでしょう。
多々羅大橋と自転車(著者所有) [拡大画像] |
如何でしたでしょうか。今回はほんの一部の紹介となりましたが、これ以外にも豊富な海の幸、美しい自然を生かした現代アート、手軽に楽しめるアクティビティなど見所はつきません。興味がある方は是非足をお運び頂き、文字通り瀬戸内の魅力を「体感」してみて下さい。
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