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新造船紹介 : 16,000総トン型カーフェリー「いずみ/ひびき」

三菱重工業(株)交通・輸送ドメイン船舶・海洋事業部下関技術部計画設計課 三好翔太

試運転中の「いずみ」
試運転中の「ひびき」
試運転中の「いずみ」(上)
「ひびき」(下)
[拡大画像 (いずみ)]
[拡大画像 (ひびき)]

エントランス
エントランス
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プロムナード
プロムナード
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デラックス和洋室
デラックス和洋室
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露天風呂
露天風呂
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本船は、阪九フェリー株式会社殿からのご発注により、同社保有のフェリー2隻 (「フェリーせっつ」、「フェリーすおう」) の代替船として、当社下関造船所にて設計・建造された瀬戸内最大級の新造大型カーフェリーです。本船の主要目は、全長195m、幅29.6m、深さ20.6mです。「いずみ」は平成27年1月15日、「ひびき」は平成27年4月16日に引渡され、新門司〜泉大津間の瀬戸内海航路で営業航海を開始しています。ここでは、本船の特徴とその魅力について御紹介します。

本船は、最新鋭の省エネ技術導入によって環境負荷低減に大きく貢献しています。推進システムは、国内初のデュアルハイブリッド推進システムを採用しており、従来の中速主機関2機2軸CPP方式を基軸とし、これに推進加勢モーター兼用の軸発電機を搭載して当該軸発を推進加勢モード又は船内給電モードで使い分けることにより、主機関を燃費効率の良い出力域で運転することができ、かつ主発電機関より低燃費率の主機関エネルギーを船内電力にも利用できるようにしています。

また、本船は三菱空気潤滑システム (MALS : Mitsubishi Air Lubrication System) を搭載しています。本システムは送風機を使って船底に設けた吹き出し穴に空気を送り込み、当該空気が気泡となって船底をカーペットのように覆うことで、航行時に生じる船体と水の摩擦抵抗を低減させるもので、当社独自の省エネ装置です。

船型は、最新鋭のバトックフロー船尾船型を採用して船体の抵抗を低減しています。この他、推進効率に優れたリアクション型吊り舵、ハブ渦抑制型ボス付可変ピッチプロペラなどを採用して省エネルギー化を図っています。

旅客を輸送する船にとって重要な要素である振動・騒音の低減について、初期計画段階から高い目標を掲げ、客船設計でも活用されている最新のシミュレーション技術を駆使して防振・防音設計の最適化を図ったことで、極めて振動・騒音レベルの小さい静粛な居住空間を実現しました。

本船は、「わのおもてなし」と「日本の四季」をテーマとして旅客に快適かつ充実した船旅を楽しんで頂けるように様々な工夫を施した居住空間を備えています。近年増えつつあるペット同伴の旅行者に配慮したペットルーム、お土産やオリジナルグッズを購入できる売店、時を忘れて講じることができるゲームコーナーやカラオケルーム、キッズルーム、リラックスルームなど、様々な年齢層の旅客が思い思いの時間を過ごすことができるようにしています。

また、展望浴室に加えて露天風呂や展望ロビー、展望デッキを設けており、瀬戸内海の星空、ライトアップされた橋・都市の夜景や早朝の大海原と様々な景色を楽しむことができます。この他にも豊富なメニューを取り揃えたカフェテリア方式のレストランを設け、船からの景色を楽しみながら食事を取ることができます。

機会があれば、皆様も是非乗船してみて下さい。快適で優雅な船旅を過ごすことが出来ると思います。



三好翔太 三好翔太
三菱重工業(株)交通・輸送ドメイン船舶・海洋事業部下関技術部計画設計課
性能設計

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