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IMO新騒音規則への対応

(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部計画設計課 岩野華織

試運転中の本船
騒音計測の様子
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MSC(91) にて採択され発効した新騒音規則 (Noise code) に対する当社の取り組みについて紹介いたします。

2014年7月1日以降の契約船は,IMO新騒音規則が強制適用されます。新規則は造船所に取って非常にインパクトが大きく、対応が極めて困難なもので、騒音レベルの厳格化をはじめとして、遮音性能のある仕切り材、国際規則に準じた計測器、知識を持った計測者、記録書の保管、計測条件等様々なものが強制化されています。

騒音レベルをクリアするためには、予測計算や実績船の計測結果を元にした適切な騒音対策が重要となりますが、その費用対効果を見極めるために何種類もの検証を行った結果、以下のことがわかりました。

  • 船型毎に対策を考慮する必要がある。
  • 船型が変われば同じ効果が得られるとは限らない。
  • 同船型,同配置でも同じ値にはならない。
  • 予測して臨むことが極めて難しい。

船の騒音レベルが新騒音規則を満たしているかどうかは、本番の試運転での計測値で判断されます。試運転で新規制値を満足しないと船を引き渡せません。新規制値をクリアできるかどうか、事前に完全に確認できないまま建造、試運転での計測を行うという "ぶっつけ本番" は絶対に避けなければなりません。

そのため、今後当社主力船型を対象に十分な検証を行い、適用船へ向けて確実な騒音対策の確立を図っていく予定です。また、函館どつく殿、佐世保重工業殿とも密に連携し、お互いの知見、経験を共有し、この難問に挑んでまいります。



岩野華織 岩野華織
(株)名村造船所船舶海洋事業部設計本部基本設計部計画設計課
船体計画

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