鹿児島大学水産学部 須本祐史
生物の仕分け [拡大画像] 浸透圧の実験 [拡大画像] ナミクダヒゲエビの体の観察 [拡大画像] |
毎年秋に水産学部の生物系や海洋環境系の教員や、対外行事で生物展示などを行う学生サークル「クロミス」の学生らが中心となって、小学校中学年程度を対象とした公開講座「海岸へ行こう」を開催しています。昨年は、鹿児島市内の小学生17名と保護者2名の参加があり、姶良市の重富干潟の「くすの木自然館」という施設を利用して、午前と午後に分けて干潟の生き物、海水の性質、エビの体のつくりの3つの学習を行いました。
午前中は干潟で生物採集を行いました。児童らは貝類やヤドカリ、ゴカイ、イソギンチャクなど見つけてきました。学習室では、採集してきた生物をバットに仕分けて、テキストの図鑑を頼りにその種類や特徴を調べ、干潟に住む生物について学びました。
午後は海水の性質に関する学習と、エビの体に関する学習を合わせて行いました。海水と真水を直接触れずに区別したり、味比べだけで海水と同じ濃さの塩水を作るのに挑戦したり、「海水を飲み続けられない」理由について、ちょっと難しい話もありましたが、塩分濃度による浸透圧の違いに着目した実験を行い、海水の性質について学びました。
浸透圧の実験の結果が出るまでに少し時間が必要だったので、合間にエビの体について学習を行いました。児童らにはまず何も見ずに思い思いにエビの絵を描いてみた後で、鹿児島湾以外ではあまり獲れないと言われている「ナミクダヒゲエビ」の体をつぶさに観察し、エビの体のつくりについて理解を深めていました。
須本祐史 鹿児島大学水産学部 水中ロボット、水産工学 |