ジャパン マリンユナイテッド(株)有明事業所設計部総合調整チーム 村木 希
活動風景
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4月に発生した熊本地震をうけ、ジャパン マリンユナイテッド有明事業所では、6月から7月にかけて複数回に分けて労使共催による被災地ボランティアの募集がありました。その活動に参加した様子について紹介します。
筆者が参加したのは初回の6月9日で、熊本地震で甚大な被害を受けた益城町が支援場所となりました。朝7時に事業所を出発し、8時過ぎに到着して受付しました。まず、最初に受付用紙に必要事項を記入し、被災者の方に正式派遣者であることがわかるよう、腕に日付と自分の名前を書いたワッペンをつけ、簡単にボランティアセンターより注意点等の説明を受けました。
その後、被災者から寄せられたニーズ票をもとに支援内容の説明が順次行われ、その中から自分が活動したい支援を挙手で意思表示し、希望者同士が集まってグルーピングし、ひとりリーダーを決めるシステムとなっていました。依頼内容は様々ですが、今回、支援したのは個人宅の瓦礫をコンクリ、陶器、モルタル、鉄骨、ガラス、サッシ等に分別し、一時集積場へ運ぶ作業でした。
スコップや土嚢袋、軽トラなど作業するにあたって最低限必要なものはボランティアセンターで貸し出されており、今回は作業着、ヘルメット、軍手、皮手袋、マスク、安全靴等は会社から支給されていたので個人で準備したのは主に昼食とタオルのみでした。
活動内容が決まり、さっそく活動場所のマップをもらい現地へ移動しました。途中、目印である神社がなかなか見つからず、通りかかった女性に道を尋ねるとマップにあるはずの神社は地震で崩れ落ち、ある一定の方角からしか認識できないほど無残な姿になっていました。その後何とか到着しましたが、移動中は目にするもの全てが地震の凄まじさを物語っていました。
到着して依頼のあったお宅の庭に足を踏み入れたとき、地面のひび割れを発見しました。亀裂は家屋の下を這うように奥まで続いており、自然の脅威を感じ恐ろしくなりました。依頼主の方は既に避難されているようでお会いすることはできませんでしたが、震災を体験されたときの心境はそれ以上だったと思います。庭を綺麗にして少しでも喜んでもらえたらという気持ちが強く込み上げ、活動意欲がさらに高まりました。
当日は朝から小雨が降り、とても暑い日で開始から10分も経たずして汗が溢れてきましたが、水分をこまめに取り、適度に休憩をとりながら作業したので、参加者全員、倒れることなく無事に終えることができました。また、作業中は瓦礫の中に鋭利な破片も沢山混ざっていましたが、皮手袋等、事前に安全具を装着していたので、怪我をすることもなく作業ができ、安全や装備に対する大切さを身にしみて感じることができました。
活動は遅くとも午後4時には終了することとなっておりましたが、予想していたより早く終了しました。作業終了後は、ボランティアセンターへ戻り、結果を報告してグループ内で点呼を行い、解散という流れとなっています。ボランティアセンターでは、県外からの支援物資として送られた飲料水やおしぼり、熱中症予防の飴、日焼け止め、うちわなどが随時無料で提供されており、手洗い場や仮設トイレ等の設備も予想以上に充実していました。また、運営委員の方は他県からボランティアで来られた方がほとんどで、全国から様々な形で救援が集まっていると感じ、心がいっぱいになりました。
今回の地震で幸いにも有明事業所に大きな被害はありませんでしたが、震源地に近い地域は、テレビで報じられている以上に全壊、半壊、地割れ、地滑り等の悲惨な光景が広がっていて、胸が締め付けられる思いでした。「設計者が実際にモノをみる」ということに共通する部分があると思いますが、現状を把握するためには、間接的な情報だけではなく、実際に目にすることが大変重要なことだと改めて学びました。
最後に、今回のボランティア活動を通じて様々な面で考えさせられることが多く、被災地で自分が感じたことは将来忘れてはならないと思いました。そして、何よりも被災地の方やボランティアの方々が頑張っている姿を見て、逆に元気をもらいました。この貴重な経験をしっかりと心に焼き付け、これからも少しでも復興の手助けをしていきたいと思います。
村木 希 ジャパン マリンユナイテッド(株)有明事業所設計部総合調整チーム 総合調整 |