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多目的運搬船 "MARITIME VOYAGER" 竣工

(株)大島造船所設計部基本計画課 冨田英輔

試運転中の本船
試運転中の本船
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大島造船所は2016年7月20日、6万4千重量トン型多目的運搬船の1番船である "MARITIME VOYAGER" を引き渡しました。

従来のHandymax船型同様、5つの貨物倉に4基のデッキクレーンを搭載した船型ですが、従来船型と異なり、船幅を新パナマ運河対応の36.0mとして、より大きい載荷重量を確保した船型です。また、貨物倉は全て二重船側構造を採用し、幅広なハッチカバー、及びBox shapeの艙内とすることで、より高い荷役効率や容易なメンテナンス性を実現しています。

5つの貨物倉のうち、No.2とNo.4の貨物倉には、艙内を上下方向で2つの区画に分けることのできるTween deckを装備することが可能となっています。Tween deckを使用することにより、例えば、貨物倉内のTween deckより下の区画には比重の大きいバルクカーゴを、Tween deckより上の区画には梱包された製品を積載したりするなど、1つの貨物倉に異種の貨物を積載して運送することが可能となり、運送効率の向上に寄与しています。

本船はその他にも以下のような優れた特長を有しています。

  1. デッキクレーンの吊り能力を40tとし、さらにNo.1とNo.2及びNo.3とNo.4の組み合わせでシンクロ運転が可能な仕様とすることで、大きなサイズの重量物の荷役ができるようになっています。
  2. 2016年6月に開通したパナマ運河の新しいロックを通航する為の諸規則を満足しています。
  3. 新規開発の省エネ船型に加え、当社独自開発の船尾付加物である "Advanced Flipper Fins" や "Rudder Bulb" 及び荒天時のスピードロスを低減する "Seaworthy Bow" を採用することで、省エネ性能を向上させています。その他にも、様々な省エネ対策を用いることで、EEDIの基準ラインを25%以上下回る省エネ型船型となっています。
  4. 燃料油タンクを全て二重構造とすることによる燃料油流出リスクの軽減、Gray water tankの装備による生活排水や汚水の貯蔵、電動タイプのデッキクレーン採用による油漏汚染防止等の環境対策を施しています。

載荷重量64,942重量トン
全長199.99m
型幅36.00m
型深さ18.54m
満載吃水13.059m
主機型式6G50ME-B9.3
出力馬力7,510kW × 89.0rpm
航海速力14.6kt
船級NK
船籍シンガポール


冨田英輔   冨田英輔
(株)大島造船所設計部基本計画課
船体計画

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