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新造船紹介 : 7,500 個積み超大型コンテナ船

(株)アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド呉工場船舶海洋設計部 上田孝彦

本船の全景
本船の全景
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本船船首部
本船船首部
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本船船尾部
本船船尾部
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明石大橋通過中の本船
明石大橋通過中の本船
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本船の主機
本船の主機
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本船のブリッジナビゲーションシステム
本船のブリッジナビゲーションシステム
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FEM 解析モデル (1)
FEM 解析モデル (1)
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世界有数のコンテナ運送会社である P&O ネドロイド社の 100% ドイツ法人のレーデライ・ブルースター社から 8 隻受注した 7,500 個積みの超大型コンテナ船について紹介します。本シリーズの 1 番船は 2004 年 12 月 14 日に引渡しが完了し,欧州〜アジア航路に投入されたところです。残りの 7 隻もアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド (IHI MU) 呉工場にて引渡しへ向け建造中です。

現在すでに 8,000 個積みクラスのコンテナ船が就航しており,最近の新造船マーケットから見ると 7,500 個積みクラスはそれほど大きくないという印象を受けるかも知れません。コンテナ船の公称積個数の定義は,船主または造船所により若干の差があり,積個数をより多く見せたい場合には,ブリッジからの前方視界確保に関するルール制限が許す限りの個数を公称値とします。ただし,この場合は,ハッチカバー上に 7 段,8 段もコンテナを積むことになるので,スタビリティーの制限から,高い段には空のコンテナしか積めないことになります。しかし本船の場合には,1 コンテナあたり 10 トンと仮定した荷物の個数を公称値としているため,ルール制限が許す限りの個数に置き換えてみると,積個数は 8,450 個となり,まさに世界最大級コンテナ船といえます。

さらに本船は,ただ大きいだけではなく,航海速力 24.5 ノットの性能を有しております。また,主機には,本船サイズでは世界初となる電子燃料噴射システムを採用した 12 気筒エンジン (Diesel United-Sulzer 12RT-flex96C) を搭載しています。

IHI MU は,これまで最大 6,690 個積みのコンテナ船を建造した実績がありますが,本船はその全長を 35m 上回る 335m もの長さとなり,大型船舶の代表である VLCC よりも長い船型となります。その大きさのために要求される高い推進性能と経済性を実現するために,流体解析,船体設計,プロペラ設計,3D-FEM (3 次元有限要素法) 全船モデル解析などの技術ノウハウを活かした設計を展開しました。また,より良い船の実現を追及するため,IHI MU が開発したコンピュータ統合生産システム "あじさい" を利用し,各機器の操作性・交通性の確認や組立・搭載の生産性向上について計画段階からシミュレーションを実施しました。

本船の主要目は以下の通りです。

全長:335.00m
垂線間長:319.90m
型幅:42.80m
型深さ:24.40m
夏期満載喫水 (型):14.00m
総トン数:94,724
載貨重量:97,517ton
船級:Germanisher Lloyd
乗組定員:33
主機
  型式:Diesel United-Sulzer
12RT-flex96C
  最大連続出力:61,900kW at 94.0 rpm
  常用出力:55,710kW at 90.8 rpm
航海速力:24.5knot
   
FEM 解析モデル (2)      "あじさい" によるシミュレーション
FEM 解析モデル (2)
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     "あじさい" によるシミュレーション
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