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日本船舶海洋工学会誌 KANRIN(咸臨)

特集「海洋プラスチックごみ問題」にあたって

日本船舶海洋工学会 学会誌編集委員会

陸上から海洋へ流出して漂流し、海岸に漂着したり海底に堆積する海洋ごみの問題は、地球環境保全と持続的成長の観点から世界的な関心事となっている。特に分解されることのないプラスチックが細かく粉砕されて海中に拡散するマイクロプラスチックは、生物に取り込まれるなど深刻な環境問題となっている。このため、世界的にプラスチックの使用を削減する活動が推進されているが、海洋プラスチックごみ問題に対する効果的な解決策は未だ確立されていないのが現状である。

そこで本特集においては、海洋プラスチックごみの現状を紹介し、海洋プラスチックに関する調査・研究動向、問題解決に向けた取り組みについて解説することを目的とし、以下の著者の皆様に記事の執筆をお願いした。

まずはじめに、海洋プラスチックごみの発生やマイクロプラスチックの生成過程、また海洋を浮遊するプラスチックごみの現状と海洋生態系への影響、さらには海洋プラスチック問題を今後解決するために必要となる研究課題について、九州大学応用力学研究所の磯辺篤彦先生に概説していただいた。

続いて、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の中嶋亮太様には、海洋プラスチック汚染の解決に不可欠な知見の取得や技術開発のために同機構が進めている取り組みの一部として、台風通過前後の相模湾内のプラスチック量調査、深海に蓄積されたプラスチックごみの実態調査、深海生物への影響調査の結果等についてご紹介いただいた。

最後に、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の野牧秀隆様と磯部紀之様には、プラスチック汚染対策の有効な解決策として注目されている生分解性プラスチックによる既存プラスチックの置き換えに関連して、深海で実施されている生分解性プラスチックの生分解度検証実験について概説いだたくとともに、今後の展望を示していただいた。

海洋プラスチックごみ問題の現状と調査・研究動向、またその問題解決に向けた取り組みについて、本特集が読者の皆様のご理解を深める一助になれば幸いである。

日本海で曳網採取されたマイクロプラスチック

相模湾で台風通過前後にネット採取された試料

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