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日本船舶海洋工学会誌 KANRIN(咸臨)

特集「次世代船舶における代替燃料の可能性」にあたって

日本船舶海洋工学会 学会誌編集委員会

近年,国際海事機関(IMO)において船舶に関連する環境規制の厳格化に関する議論が活発になっている。船舶から排出される窒素酸化物(NOX)に関しては,海洋汚染防止条約(MARPOL条約)に基づき,ディーゼルエンジンを対象とした段階的な規制強化が導入されている。また,硫黄酸化物(SOX)と粒子状物質(PM)の排出を削減するために,2020年に船舶の燃料油に含まれる硫黄分濃度の規制値を引き下げることも決定している。さらに,二酸化炭素(CO2)排出削減を目的として2013年に発効したEEDI(エネルギー効率設計指標)規制についても,段階的な規制強化が進行中である。

そこで本特集においては,これらの規制への円滑な対応を目的として検討が行われている新たな舶用燃料(代替燃料)使用の可能性について,最新の情報を提供することを目的とし,以下の著者の皆様に記事の執筆をお願いした。

まず始めに,船舶の排出ガス規制に関する各種規制・制度の動向,ならびに代替燃料船の普及状況と環境整備の観点から,船舶の代替燃料を取り巻く現況について国土交通省海事局の田村顕洋様に概説していただいた。

続いて,九州大学の高崎講二先生には,代替燃料の有力候補であるLNG(液化天然ガス),メタノール,LPG(液化石油ガス)について,各燃料の特徴やエンジン内における燃焼特性について解説していただいた。また,(株)三井E&Sマシナリーの田中一郎様には,従来燃料の重油に加えてLNGやエタン,メタノール,エタノール,LPG等の代替燃料を併用可能なデュアルフューエル機関の概要と特徴についてご説明いただいた。

代替燃料利用の現状に関しては,船舶を運航する船会社の立場から,日本郵船(株)の井上知己様より,LNG燃料利用に関するこれまでの取り組みと建造中のLNG供給船の紹介をお願いした。一方,(株)商船三井の柳沼敦様と大国浩輔様には,建造中のメタノール燃料船の概要ならびにLNG燃料船への取り組み状況についてご紹介いただいた。また,LPG燃料船の普及に向けたLPG供給体制構築に関する取り組みと今後の展望について,アストモスエネルギー(株)の高橋良仁様よりご紹介いただいた。

(国研)海上・港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所の平田宏一様には,NOXやSOX,CO2等を排出しないクリーンエネルギーとして期待されている水素燃料電池船について,実船試験より得られた結果ならびに今後の課題をお示しいただいた。また,軽油や低硫黄A重油等の燃料に水を混合させることにより燃料消費率を増加させることなくNOXとBC(Black Carbon)の排出を削減する技術の概要と練習船天鷹丸に搭載された水混合燃料生成装置の実験結果について,水産大学校の前田和幸先生と津田稔先生よりご報告いただいた。

船舶からのNOXやSOX,CO2等の排出削減を目的とした代替燃料使用の可能性について,本特集が読者の皆様のご理解を深める一助になれば幸いである。

ディーゼルサイクル(GI)型ガスエンジンの燃焼(燃料:メタン)

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