日本船舶海洋工学会 学会誌編集委員会
「複合材料」は、人類は古くから利用してきたものの、化学樹脂と繊維の素材技術の発展及び、形成技術の進歩により、私たちの生活の素材のあり方を、どんどん変えつつある。
前号の「複合材料技術の発展(前編)」においては、これまでの複合材料技術の発展の推移および、船舶海洋分野への事例としてプロペラへの適用について紹介した。
一方、複合素材はその複雑な構造を持つ性質から、設計・製造・品質管理および保守に関しては、いまだ未知の部分が多く、その利用に関する様々なステージの中で、効率的かつ有効な情報取集と管理を行うことが必要とされている。
この問題に対しては、近年発達してきたデジタルツインを複合材料構造に適用し、構造ヘルスモニタリング等に用いる試みが始まっている。
本号の、「複合材料技術の発展(後編)」においては、東京大学の村山英晶先生に、複合材料構造に対してデジタルツインのコンセプトを適用した場合の有効性と、その研究事例について概説していただいた。
本特集によって読者の方々が、複合材料の利用に関する新たな展開について、理解を深める一助になれば幸いである。
デジタルツインのコンセプト図(simens)
(URL : https://new.siemens.com/jp/ja/kigyou-jouhou/koa-topikku/digital-enterprise/digital-industry.html)