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日本船舶海洋工学会誌 KANRIN(咸臨)

特集「制限水域における船舶の航行」にあたって

日本船舶海洋工学会 学会誌編集委員会

制限水域とは、水深や水路幅の影響が船舶性能の変化に現れる水域を意味することが一般的です。近年の船舶の大型化は、20,000TEUを超えるコンテナ船に象徴されますが、このような大型船では港湾内は言うに及ばず、内海域でも相対的に水深が深くなり、操縦性能に影響が現れる可能性があります。さらに、試運転時の速力試験のように厳密な計測が求められる場合には、大陸棚の海域であっても、浅水影響を考慮する必要が出てきます。本号では、このような状況に鑑み、制限水域における船舶の航行をテーマとして、特集企画をしました。

本特集は6章7編から構成され、船舶の大型化で顕在化してきた制限水域航行に関する諸問題を、多様な視点から解説します。第1章では、広島大学の安川先生に、制限水路における船の性能変化の概略や関連する試験水槽設備について概説いただき、推進性能や風圧下航行時の考慮事項などについてもご説明をいただきました。このうち、推進性能分野における浅水影響の考慮については、第2章でジャパンマリンユナイテッドの折原氏、海上技術安全研究所の久米氏及び辻本氏、三井造船昭島研究所の山本氏に、ITTC(国際試験水槽会議)での試運転解析法改訂の経緯について、解説いただきました。

ところで、制限水域での船舶の性能変化に関する研究は、我が国では港湾内操船の想定が中心になりますが、海外に目を向けると、河川や運河を利用した物流を含めて幅広く研究が行われています。本特集企画では、そのような海外の動向に焦点を当てた解説を試みました。第3章では広島大学の佐野先生に、この分野の国際的な研究動向の分析及び解説をお願いし、制限水域に関連する研究に特化した国際会議の状況についてもご紹介いただきました。また第4章では、制限水域専用の試験水槽を有するベルギーのFlanders Hydraulic Researchの施設と活動状況を、 同研究及びゲント大学のProf.Delefortrie, Dr. Candries, Dr. Eloot, Prof. Lataireに解説していただきました。

さらに第5章では、視点を変えて運航者と技術者の立場から、制限水路航行や離着岸操船時の注意点や機器の開発についての解説を加えました。運航者の視点からは、海技者養成教育に長年携わり、大学での研究活動の経験も豊富な神戸大学の矢野船長に、学生への指導経験も踏まえた立場から解説をいただきました。一方、第6章では、関連機器の技術動向解説として、ナカシマプロペラの岡田氏にサイドスラスターの技術動向を、MTIの安藤氏及び樋口氏、日本海洋科学の桑原氏にタグボート遠隔操船の試みについて解説をいただきました。

大洋航海を旨とする商船の建造を得意とする我が国ではありますが、これを機会に制限水域に関する分野の研究及び技術革新が進むことを期待し、特集企画をお届けします。

(画像提供:Flanders Hydraulics Research)

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