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日本船舶海洋工学会誌 KANRIN(咸臨)

特集「海事産業におけるIoT/5G技術導入と活用に向けて」にあたって

日本船舶海洋工学会 学会誌編集委員会

IoT(Internet of Things)「モノのインターネット」という言葉は、1999年にKevin Ashtonによって生み出された。彼は商品の在庫切れの問題を解決するため、電波を受けて動作するマイクロチップを商品(モノ)に取り付けて、商品のデータをネットワークに送信・保存し、在庫を管理することを思いついた。IoTはこのアイデアを説明するために考え出された言葉である。その後、情報通信技術、半導体技術の発展により、2010年代には現実世界のモノに関するアナログ情報をIoTによりデジタルデータに変換し、インターネットを通じたデータ収集が容易となった。現在は高品質のデータを効率的に収集し、蓄積された大量のデータを有効活用して、生産性を向上するだけで無く、新しいサービスやビジネスをいかに生み出していくかが重要視されている。IoTはAI(人工知能)と並び、デジタル変革(デジタルトランスフォーメーション、DX)の基盤技術として、重要な役割を担っている。さらに第5世代移動通信システム(5G)は通信の高速化・大容量化だけでなく、低遅延、多数端末接続の性質がIoTに適しているとされ、導入によるIoTのさらなる普及と新しい利用の創出が期待される。

一方、海事産業においては、IoTを先行導入した一部の企業を除き、本格的な導入はこれからというのが実情である。本特集は、先行してIoTを活用している建設業、及び、海事産業における事例を紹介するとともに、IoTの普及に資する5G技術の現状と活用事例を紹介する。

海上物流は複雑で大規模なシステムであり、このようなシステムにIoTを本格的に導入し、効果的に運用するためには、理論的な事前検討が重要となる。そこでまず初めに、東京大学大学院の稗方 和夫准教授にシステム思考によるAI/IoTの導入設計とケーススタディについて、解説して頂いた。

続いて、産業分野におけるIoTの導入事例を紹介する。建設業ではコマツがいち早く建機にIoTを導入して建設施工データを取得・蓄積する情報システムを構築し、建設生産現場の生産性、安全性の向上に取り組んでいる。これを基に建設業界の問題解決を見据え、建設施工プロセスのオープンプラットフォーム「ランドログ」を立ち上げた。この取り組みについて、(株)ランドログの和田 将宏氏、井川 甲作氏に紹介して頂いた。

次に海事分野におけるIoTの現状について紹介する。日本郵船(株)はいち早くデジタル技術を活用し、運航する船舶の各種データを収集するシステムを構築し、安全運航、GHG排出量削減に活用している。船舶IoT活用の具体的な取り組みについて、日本郵船(株)の山田省吾氏と(株)MTIの柴田 隼吾氏に紹介して頂いた。また、IoTにより蓄積されたデータ(プラットフォーム)を海事産業全体で活用を促進するためには、その運用管理だけでなく、利害関係者(ステークホルダー)間の調整、ルール作り等の活動が必要となる。そこでIoS(Internet of Ships)オープンプラットフォーム、およびShipDCの概要と活用について(株)シップデータセンターの池田 靖弘氏に紹介して頂いた。

さらに第5世代通信通信システムの現状と活用事例を紹介する。最初に5G技術の概要と普及活動、将来展望について、東京大学大学院の中尾 彰宏教授に解説して頂いくとともに、ローカル5G実証実験における水中ドローンの活用事例を紹介して頂いた。次に第5世代移動通信システムの実用化に向けた通信事業者における研究開発の取り組みについて、(株)NTTドコモの岸山 祥久氏と須山 聡氏に紹介して頂いた。さらに、産業分野での5G活用事例として、造船の現場・水産の現場での実証研究について、愛媛大学大学院の小林 真也教授に紹介して頂いた。

今後、海事産業分野においてもデジタル技術を活用した革新的な取り組みの導入が想定され、これらを審査・認証する体制を整える必要がある。最後に、新しい認証サービスInnovation Endorsementについて、(一財)日本海事協会の佐々木 吉通氏に紹介して頂いた。

本特集が、読者の皆様のIoT/5G技術の導入と活用の一助になれば幸いである。

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