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シリーズ:造船所のかっこいいオヤジ

Vol.027 「範師」の流儀

1.はじめに

図1 社長タウンミーティングでの佐藤さん(左)

三菱重工業(株)交通・輸送ドメイン 船舶海洋事業部下関工作部の「かっこいいオヤジ」佐藤 雄二(さとう ゆうじ)さんをご紹介します。

佐藤さんは、昭和47年に当時の機関課に仕上職として配属され、 以来42年間機関仕上職一筋でやってこられました。副作業長、作業長と歴任された後、平成16年にスタッフに抜擢され、平成20年には傑出した技、経験に裏付けられた確かな知識、最良の方策を判断する優れた対応力、組織力を高める管理・折衝力、そして人望と指導力とすべての面で認められた者が到達する「範師」に認定されました。また、昨年には定年退職をめでたく迎えられましたが、現在に至ってもなお、その勢いは衰えることを知らず、現場の最前線で活躍中です。

2.「範師」の流儀

佐藤さんの守備範囲は修繕船のエンジンからプロペラ、舵に至るまで現場での陣頭指揮はもとより、工程計画、工事見積等多岐にわたります。

修繕船は短工期の作業となり、工程の遅れは絶対に許されません。佐藤さんは過去に幾度となくトラブルを経験し、作業チェックの重要性を肌で感じてきました。その経験から開放した部品のボルト1本にしても一切妥協せず、全て確認しチェックを徹底してきたそうです。

こうした姿勢が「機関のことなら佐藤に聞け」と周囲の信頼を得ることとなり、また、その信頼は身内だけに留まらず、本船監督、乗組員からも「佐藤がいるから三菱の修繕ドックに入るのだ」と厚い支持を集めています。

図2 工作事務所の神棚

3.安全第一

佐藤さんの1日はまず係内の誰よりも早く出社して、会社の神棚に安全祈願をすることから始まり、それから今日1日の作業内容をチェックし、始業を迎えます。著者も入社してから10年近くなりますが、実は最近まで佐藤さんが毎日安全祈願をしていたなんて全く知りませんでした。仕事をこなすだけではなく、安全に対する意識も人一倍強い、これが佐藤さんが範師たる一つの所以なのでしょう。

4.「範師」の教え

佐藤さんに後輩へのアドバイスを聞くと「見る」「聞く」「書く」「動く」とのこと。曰く「作業範囲が広いから分からない事はたくさんある。聞くことは恥やない。分からなかったら人に聞くこと。そして全部手帳に書くこと」ずっとそうやってきて佐藤さんの家にはたまったメモ帳が大量にあるそうです。そしてこうも言います。「自分のすぐ上の人を見るな。自分のすぐ上は自分と同じレベルかちょっと上程度。二つ上の先輩を見ろ。二つ上の人は仕事に対する認識が深くなっている」

そんな佐藤さんの教えを後輩たちはどのように受け取っているのか。佐藤さんに対するイメージを周りの人に聞いてみました。

  • 親分肌で仕事に対する姿勢は非常に厳しい。佐藤さんが作業長時代は休憩も取らずにひたすら作業しているので、自分達も休憩せずに作業していた。

こう書くと頑固一徹なオヤジをイメージしてしまいますが、実際は非常に面倒見が良く、しっかりと裏でサポートしてくれます。今では機会が少なくなってしまいましたが、以前はほぼ毎日仕事が終わったら後輩たちのいる独身寮に行き、一緒に酒を酌み交わし、風呂に入り、後輩たちの悩みを聞くといった「飲みニケーション」をしてから、自宅へ帰っていたそうです。

5.プライベート

図3 愛犬

仕事人の佐藤さんのプライベートでのリフレッシュ法は愛娘(愛犬)との散歩と愛車でのドライブです。朝は5:40から愛犬と散歩に出かけます。そして6:00から自分で朝食をつくり、7:00には出社。会社から帰ったらまた愛犬との散歩に出かけます。休みの日は朝、昼、夕と3回の散歩に出かけるそう。おかげで近所との付き合いも増えたそうです。

また、会社から家に戻ると愛犬が玄関で出迎えてくれるそうで、仕事では厳しいオヤジも優しい父親に戻ります。休日には奥さんと愛車のRX-8で連れ立って買い物に出かけるという愛妻家の一面も。

図4 愛車のRX-8

6.おわりに

私は現在、佐藤さんと同じ機装係で仕事をしていますが、その圧倒的な経験、技術、人を納得させる話術等々、見習うべき点が多々あり、私の行き届かない点を埋めていただいています。現在は佐藤さんに頼り切っているところがありますが、ずっと頼ってばかりではいられません。わたしも「オヤジ」に負けぬ様、その技術、仕事への取組み姿勢を受け継いで行きたいと思っています。

図師田 崇(ずしでんたかし)
三菱重工業(株)
船舶海洋事業部 下関工作部 艤装課
機装係長

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